「悪い商品を掴まされた!」と言う経験をしないための情報提供がコンテンツです

ユーザーが求める商品を迷わず買える情報がコンテンツです

最近Googleの検索結果にも影響するようになってSEOでも重要視されている「コンテンツ」ですが、コンテンツと言う言葉が何を意味しているのか、とても分かりづらいですよね。wikipediaでもコンテンツは「中身」のことと書かれていて、WEBサイトの場合、何を指しているのか分からないです。

ECサイトの目的が物を売ることであれば、その中身はほとんどがコマーシャルです。コマーシャルはコマーシャル・メッセージと言い、「商業用の宣伝」です。コマーシャルばかりが放送される番組は、テレビショッピングだけです。こんな番組はよほど他の番組が面白く無いか、他にすることが無いかで、通常ならばほとんどの人が見たくも無いと思います。自分が販売している商品が良いと言うのは売り手であれば当たり前のことで、自分が販売している商品が良いと言うのが、コマーシャルなのです。そのことだけを繰り返し聞かされるのは、見る側にとっては苦痛にも感じて来ます。

ECサイトでも同じことが言えて、売り手側にとって都合の良い情報ばかり書かれたコマーシャルはどのサイトを見てもほとんど同じような情報ばかり書かれていて、一見してどのサイトが自分の求めている商品を販売しているのか判断できず、少し読んでブラウザの戻るボタンを押し、また違ったサイトを訪れて少し読んで戻るを繰り返すうちに、次第に中身を読んでもらえなくなります。

情報提供

良質なWEBコンテンツはどうやって作るのか、どんな視点で見つけ出せば良いのか。

コンテンツは社内にあるのですが、見つけ出す視点はユーザーの視点が必要です。

ユーザーが「悪い商品を掴まされた!」とか「失敗した!」と思う時は、どんな商品を買ってしまった時なのかを考えて見ましょう。ユーザーは常に期待通りか、期待以上の商品を求めています。しかし、実際には期待外れの商品にめぐり合ってしまうこともあります。そのような期待外れの商品を買わないようにする、商品の見極め方を伝授することはとても有益なコンテンツになります。また、商品の意外な使い方や、商品を使い倒す情報。使用後の手入れの方法。お客様からのクレームへの対応や再発防止策、新商品の開発プロセスや、トラブルシューティングなど、企業内で行っている活動全てがコンテンツになります。企業が商品やサービス、顧客対応などについて真摯に取り組んでいることは全て良質なWEBコンテンツです。それぞれの情報については順を追ってご紹介します。

ユーザーの失敗や後悔を回避できる情報がコンテンツです

ユーザーは検索結果から見つけ出したページを訪れ、少し読んでブラウザの戻るボタンを押し、また違ったサイトを訪れて少し読んで戻るを繰り返しコマーシャルの中から商品を購入します。そして「悪い商品を掴まされた!」とか、「思っていた品質じャない!」や「契約上のトラブル」と言った経験をするのです。そのような事態が頻発して、ユーザーからECサイトが信用されなくなってEC自体が衰退するようなことがあっては、Googleにとっても死活問題です。まぁ、これほど事態が悪化することは有り得ないとは思いますが・・・・・。

このようにユーザーが「悪い商品を掴まされた!」と言う経験をしないための情報提供が一つのコンテンツになります。「良い商品と悪い商品を見分けるポイント」を明確に伝えることで、ユーザーの後悔を防ぐ問題解決になります。このポイントを明確に伝えることができるサイトのオーナーはその商品に精通していると言う事を示す証拠にもなりユーザーからの信用を獲得することも出来ます。また、同じ商材であってもサイトによって、見分けるポイントが違っていれば、ユーザーにとってより重要と思うポイントを判断基準にしているサイトから商品を購入すれば良いのです。判断基準を明確に伝えることで、ユーザーとの信頼関係も出来上がり、そのユーザーはリピートユーザーとなってくれます。このようにユーザーが求める品質の商品を間違いなく手に入れることができる情報を提供することは、ユーザーが疑問に思うことを解決することになるので、良質なWEBコンテンツと言うことが出来ます。

また、商品を永くご愛用いただくための保管方法や手入れの仕方なども、商品を熟知していないと出せない情報なので、商品に精通していることを示す、大事なコンテンツとなります。提供した情報を読んで商品を購入するお客様は、その商品に対する思い入れも大きいはずで、商品を大切に使いたいと思っているので、そのようなニーズにも応えることができるコンテンツを提供できるサイトもユーザーにとっては貴重なサイトとなるはずです。

商品の良し悪しを見分ける基準がコンテンツです

商品のどの部分をどんな基準で見れば、商品の良し悪しが分かるのか、品質を決定付けるポイントはどこなのか、このポイントは商品を扱っているショップによって違うかも知れません。違っていれば違っているで良いのです。それぞれのユーザーにとってより重要と思うポイントを重視しているショップの商品を買い求めれば良いのですから。また、基準もショップによって厳しい基準のところもあれば、比較的緩い基準のところもあると思います。ユーザーは必ずしも高品質、高価格を求めているわけではありません。商品によっては低品質、低価格でも良いと考えている商品もあります。ほどほどの価格で最低限の品質さえ確保できていれば良いと考えている商品を求めているユーザーは、それに合った見分け方の基準を明示しているショップの商品を買えば良いのです。このようにして、ユーザーとショップのマッチングも上手く図ることが出来て、一度買ってくれたユーザーは自分の商品の価値基準と合っているショップのリピートユーザーになります。ユーザーが欲している商品はどんな商品なのか、その商品を確実に手にする商品の見分け方や選定方法を提供できれば、ユーザーにとってはとても貴重な情報になります。

このように、ユーザーが望む品質の商品をコマーシャルで押し付けるのでは無く、ユーザーの目線で、そのユーザーにとって良い商品を間違いなく手に入れることが出来る情報は、ユーザーの商品に対する疑問を解決することができる良質なWEBコンテンツとなります

その他にも、企業としてユーザーにより良い商品を提供するために様々な努力をしていると思います。品質改善の取り組みや、コスト削減、納期短縮。環境保護への取り組みなど、たずさわっている人にとっては毎日のことで当たり前と思いがちですが、一般の人にとってはびっくりするような情報な場合もあります。日々行っていることを当たり前と思わずに些細なことでも情報として公開するのが良いでしょう。

  1. 良質なWEBコンテンツとはユーザーの質問に対する明快な回答です
  2. コンテンツマーケティングは売り込みしなくてもコンテンツで商品が売れる仕組みにすることです
  3. コンテンツSEOで検索エンジンからの流入を増やす
  4. 共起語を含んだコンテンツを作成してSEO効果を高める

経営者の経験はコンテンツです

経営者の葛藤や人格が滲み出るような情報は良質なコンテンツです

経営者の経験はコンテンツです

経営者が経営の中で経験することは、一般のサラリーマンではとても経験できない貴重な体験です。資金調達で銀行との交渉で苦労したことや、新規の販路開拓、商品開発、社員をまとめ上げる苦労など、それは色々だと思います。人生は一度しか無く、生産的で有意義な人生を送りたいと誰もが思っています。失敗や挫折は人間を豊かにする材料になりますが、多くの人たちは、出来れば避けたいことです。失敗や挫折を出来るだけ経験しないようにする情報や、失敗や挫折に直面している人に、その打開策を伝え勇気を与える情報はとても良質なコンテンツです。そもそも、ユーザーはWEBサイトを運営している会社の経営者と直接話しをすることは出来ません。会社を訪問するお客様とは直接話しが出来るので、その会話の中から自然に出てくる苦労話や経験から得た人生観などは、お客様をファンさせるものです。しかし、WEBサイトでは、経営者の経験などは自然に出てくるわけではありません。経営者の経験は書かないと伝わらないのです。

そもそも、経営者としての経験をホームページ上で公開しようとすると、善意をベースにした経営をしていないと、充実したコンテンツを作り出すことはできません。悪意がベースの経営者は他人に公開できる情報はあまり無く、他人を騙して利益を得ようとしていることを正直に公開してしまうと、炎上してしまうかも知れません。悪意に満ちた経営者はコンテンツを作ることが出来ず、善意の経営者はコンテンツをどんどん作り、検索でも上位に表示され、事業が発展し、悪意に満ちた経営者は駆逐されるようになれば、理想的です。インターネットでは情報を公開すればするほど、閲覧者が増え、善意の経営者のコンテンツにユーザーが集まり、悪意の経営者は選別されます。インターネットが無い時代は情報は公開するものでは無かったので、悪意の経営者も経営を続けることができました。インターネットで経営者としてのコンテンツを公開するのが当たり前になって、善意の経営者だけが生き残る時代が早く訪れて欲しいと思います。Googleが打ち出したコンテンツ重視は、善意の経営者を後押しする、とても良い方向だと思います。

経営者としてのコンテンツを公開すればするほど、新規の取引先は経営者の人間性を信頼して、安心して取引を始めることが出来ます。このように経営者の経験をコンテンツとして公開することは、その企業の奥底の姿勢を表明することであり、これは、コマーシャルで埋め尽くされたページからは絶対に伝えることは出来ません。また、良く見かける、経営者の趣味や座右の銘を書いた程度では、ユーザーの共感や信頼などは絶対に得ることはできません。

リアルの世界で、企業の取引が成立する場面でも。「最後は社長の人柄を信用して」と言うような場面もあるように、リアルの会話の中から滲み出る社長の人柄のようなものは、ネットでは書かないと全く伝わらないのです。直接会って話しをすれば滲み出るような経営者の人柄は、何もせずに滲み出ることはありません。経営者自身は善意で、お客様に喜んでもらえるような商品を売りたいとどれだけ思っていても、コンテンツとなって表に出さないと、誰も分かりません。書かないとダメなのです。

経営

経営者として歩んだ人生そのものもコンテンツです

経営者と言う職業はサラリーマンのような安定したものとは全く違い、経営者として生きる道を選択した時点で、普通では無い人生を歩む決断をしたことになります。経営者としての失敗や挫折、さらには成功体験も貴重なコンテンツです。また、一つ一つの決断に至るプロセスなども経営者百人百様だと思います。経営者の人となりを表明する情報は特にB to B(B2B)の契約を獲得したい企業にとってはとても重要な情報になります。閲覧者にとって、参考になったり励ましになったりする情報は書籍にして販売しても良いような情報も多く、そのような情報を閲覧できると言うのはWEBサイトの質を高めることになります。

上記のような情報は、一WEB担当者ではとうてい出せる情報ではありません。WEB担当者が経営者から聞いた情報を掲載したとしても、内容は必ず薄まってしまって、中身の濃い生々しい情報にはなりません。EB制作会社に依頼してライターに書いてもらうのも方法ですが、個人的にはWEB制作会社はWEBデザインやテンプレート、システムを依頼するところだと思っています。制作会社やプロのライターが書くフィルターがかかった美しい文章よりも、現場で実体験している生の声をそのまま掲載した方が、ユーザーの心を揺さぶると思います。経営者自身から滲み出るような情報こそが、良質なWEBコンテンツとなるものです。商品のスペック紹介のコマーシャルページは担当者で十分ですが、経営者ではないと書けない情報は、経営者自身が是非キーボードを叩いて欲しいと思います。

  1. 良質なWEBコンテンツとはユーザーの質問に対する明快な回答です
  2. コンテンツマーケティングは売り込みしなくてもコンテンツで商品が売れる仕組みにすることです
  3. コンテンツSEOで検索エンジンからの流入を増やす
  4. 共起語を含んだコンテンツを作成してSEO効果を高める

コミュニケーションは受け手側に決定権があると言われますが・・・・・。

コンテンツの良否は受け手側が判断するものです

コミュニケーションは発信者ではなく、受け手側に決定権があります。どんなコンテンツを発信しても、受け手側によって、良質かどうかの判断がされます。自分が良いと思って発信した情報でも、受け手側によって、良いと判断されたり、あまり良いとは思わないと判断されたり、まちまちです。Googleにもどんなコンテンツが評価されるか分かりません。

受け手側の人は多様で、一つの文章で全ての人が満足する良質なWEBコンテンツを提供することは、ほぼ困難です。自分が発信するコンテンツに期待はずれの評価をされることもあるかも知れません。受信者を想定してコンテンツを制作することを薦めるサイトもありますが、受信者を想定したとしても、情報を発信するのは、自分自身なので、想定した読者が求めるような文章が書けるとは限りません。情報の発信には発信者の癖があり、それは発信者それぞれの個性でもあります。コンテンツに発信者の個性が含まれないと味気ないコンテンツになってしまいます。

しかし、自分をさらけ出したり、自分の信じていることを発信することは、常に批判と隣り合わせです。批判を恐れていては、いつまでたっても良質なコンテンツを発信することはできません。また、より多くの人に好まれたいと思って当たり障りの無い文章を作ると、かえって変な文章になってしまったりして、強い主張が含まれなくなり、本来であればファンになってくれるはずの人も逃してしまうかも知れません。ユーザーは当たり障りのない文章よりも強烈な信念の主張のあるコンテンツに惹かれるのです。

コミュニケーション

人は、誰の目も気にせず、自分らしい状態が一番魅力的なのです。

例えば、お笑い芸人でもファンを増やそうとして、多くの人に媚びるような芸をすると、その人本来持っている魅力が消えてしまい。かえってファンを失います。彼らもコンテンツを提供している訳で、より多くのファンを求めて誰からも嫌われるリスクの無い中途半端な芸をするより、強烈な個性を表出して、少数であってもコアなファンを掴みたいと思っているはずです。サラリーマンにたまに見られるケースとして、上司などから強烈なプレッシャーを与えられて、自分の意思で判断できず、商談していても何を言っているのか分からないような人もいます。社会に順応しようとした結果。自分の自然な感情や欲求を押し殺したり、価値観を抑圧して我慢している状態になってしまうと、とても不自然で、人間としての魅力を感じなくなります。

これと同じように、発信したコンテンツが出来るだけ多くの人から肯定的な評価を得ようとして、八方美人になり、がんじがらめになってしまうと、不自然で、受け手側のほとんどの人たちが満足を得られない情報になってしまいます。コンテンツを発信する場合は特定のユーザーを想定することは重要ですが、より多くの人をファンにしようとして、不自然なコンテンツになることは避けるべきです。全ての人に好まれる文章にしようとすると、全ての人が何も感じない、全く感動や心を動かされることのないものになってしまいます。

生まれたばかりの赤ちゃんの天真爛漫で、エネルギーに溢れて、感情のまま、何の屈託も無い表情には周囲の人間も自然に笑顔になるものです。自分勝手と言う状態は、自分勝手に振舞って周囲の人たちを操作しようとしている状態で、そのような自分勝手と言う意味ではなく、何の制限も抑圧も無く、肩の力を抜いて他人を操作しようとしていない自然でありのままの人は多くの人から好かれます。誰の目も気にせず、萎縮していない伸び伸びとした自分らしい状態が一番魅力的なのです。

中小企業の場合インターネット利用者のごく一部が熱烈なファンになってくれれば事業は成立します。多くのファンを求めて不自然な情報を出すよりも、自然な情報発信に対して共感してくれるコアなファンを求めてコンテンツを発信しましょう。

自分自身を主張すればするほど、批判に晒される危険も増して来ますが、批判を恐れていては、いつまでたっても良質なWEBコンテンツを発信することは出来ません。自分自身をさらけ出して、批判されると、自分の全人格を否定されたような気分になるものです。自分の全人格を否定されることは、この世に存在する価値は無いと言われているようなものなので、人間としては一番避けたいことでとても怖いことです。しかし、そこは自分自身がこれまでにやってきたことを信じて、他人からの承認では無く、自己承認を強く持ち。アンチが出現しても良いと思うくらい、割り切って自分の信じることを遠慮なくどんどん表現して欲しいものです。表現すればするほど反応の返って来ます。その反応からさらにコンテンツを作って行けば充実した分厚いコンテンツを有するサイトへと成長して行きます。

声を上げて批判する人よりも、黙って承認してくれている人の方が遥かに多いのですから。自信をもってコンテンツを発信しましょう。

  1. 良質なWEBコンテンツとはユーザーの質問に対する明快な回答です
  2. コンテンツマーケティングは売り込みしなくてもコンテンツで商品が売れる仕組みにすることです
  3. コンテンツSEOで検索エンジンからの流入を増やす
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18歳で突然経営者になり、すぐに経営危機に直面

突然経験することになった経営、18歳

1978年、父親の急死により縫製工場の経営者になる。
未成年者のため銀行取引には後見人を立てることに。
父親の「感と経験と度胸」(KKD)の経営に慣れている工場のおばちゃんと、データに基づいて少しでも科学的な管理や経営をしたいと考える私と当然のように激突!
しかし、人生経験が遥かに長く、私のオムツを替えたこともあるおばちゃんたちには太刀打ちできず(T T)
高校在学中までの間知っている女性は「花も恥じらいもある乙女」たちだったが、恥じらいのかけらもない自社の女性たちに唖然とした。
このころから、言うことを聞いてくれないおばちゃんたちとの戦いの日々が永く続くことになる。

それでもあきらめずに同じことを言い続けるうちに、少しずつ私の言うことに賛同してくれる人たちが現れるようになってきた。(ここまでかなりの時間を要す、2年ぐらいかかった)

どこの会社でもあることなのかもしれませんが、本来味方である人たちとの戦いの日々が永く続くのは、経営や会社の発展にとって大きなマイナスだったと思います。
「敵は社外にあり!」が通用しない会社がいかに多いことか。
誰が敵なのかわかっていない、戦う相手を間違っている会社が非常に多いように思います。

ただ、経営者の資質向上にはとても良い経験ができたとも思っています。

この当時は、経営革新などという言葉もなく、もちろんIT経営もなにもありません。ITなどという言葉自体ありませんでしたが、経営を前向きに 変化させたいという思いは非常に強かったと思います。 今となって思えば、若い経営者であったことも、経営革新に対する執念のようなものが、すでに芽生えはじめていたと思います。

次第に自分の考えを押し通すようになって、22歳

少しずつ現場を掌握できるようになり数値で経営する方向へ邁進するようになる。
ストップ・ウォッチを持って現場に立ち、測定した時間に基づいて工程編成を行う。
数値至上主義のような偏った経営になりはじめたのではないかと思う。
ここで大事件発生!
数値の管理をどんどん進めるうちに、成果と報酬を一致させたいと考えるようになり、そのままボーナスに反映させることを考えだした。
世間知らずのなせる業で、思いついたことをそのまま実行してしまった。
やったことは、こうだ。工程ごとに標準時間を決めて、秒単価も決める。そして、それぞれ一日作業した総秒数に秒単価を掛けて、出た数字から基本給を引く。これで残った金額をボーナスとして毎日積み上げるのです。
結果。当時の縫製工場としては多額の50万円ほどのボーナスをもらった人と-50万円ほどになった人がいたと思います。
マイナスになった人はしかたがなかったので、5,000円支払いしたと思います。

全社員から連判状を突きつけられる経営危機

当時の私としては、頑張ったことがそのまま報酬になるのは良いことだと思っていたのですが、翌日社員全員の連名で「このままの経営を続けるのであれば全員退職する」と連判状を突きつけられました。縫製工場は社員の熟練が必要で、それまで蓄積した技術を新たな社員が持てるようになるにはかなりの時間を要することになり、品質も効率も現在の水準に達するまでの間に多額の赤字を計上することになり、さらに品質の低下で取引先の信用も失うことになりかねない大変な経営危機になってしまいました。

今は成果主義はかなり浸透してきていますが、当時はそのような社会風土は全くなく、社員の人たちには受け入れ難いものだったのでしょう。
経営者としても、連判状を突きつけられるというのは、かなりのショックで、自分が正しいと思うことを周囲に理解してもらうことの難しさを思い知りました。

連判状事件は自分にとってはかなり大きな衝撃でしたが、一方で、チャレンジすると結果がどうであれ、大きな学びがあることにも気づきはじめてきたのも、このころからだと思います。
下請けの工場は、コスト削減、生産効率アップが至上命題だと考えていたので、人を人として扱っていなかったのかも知れません。

良質なWEBコンテンツとはユーザーの質問に対する明快な回答です ・何度も経営危機に直面したコンテンツ ・服の品質の見分け方

希望に満ちた工場新築のはずが・・・・経営危機を招く

本来やりたいと思っていることと、実際にできていることとのギャップに悩むようになってきた。
これは、経営者としてもっと売り上げを伸ばして、利益を出して、社員のみんなの所得をもっと増やしたいと思っている内面と、実績として直面する経営の数値のギャップが一つ。
もう一つは、楽しく笑顔で仕事がしたい、楽しい職場にしたいと思う心と、いろんな経営指標を改善しないといけないと、常にしかめっ面している自分とのギャップです。

こんなことを悩んでいるときに、ふとしたきっかけで、交流分析という心理学のセミナーを受講する機会がありました。
交流分析は口語体の心理学と言われていて、大変わかり易い心理学です。

このセミナーの中でトレーナーから私に対して強烈なフィードバックがありました。
それは、「感情を表現するな!」と喜怒哀楽を表現することを自分自身に禁止していると・・・・・。
感情を表現しないということは、悲しいことを悲しいと感じない、嬉しいことを嬉しいと感じないようにしているわけで、こういうことを続けていると情緒障害に陥るらしいです。

こんなふうになるのは、子供の頃に親などが子供にとって良かれと思って言う言葉が元になります。私の場合「男の子は泣いたらあかん」が一番の元ですが、やはり、この仕事をするようになってから必死に経営者を演じてきた結果だと思います。
今でもこの問題は引きずっていますが、かなり良くなりました。

もう一つ交流分析で印象深かったことは、人間の肉体を維持するために食べ物を食べますが、心を維持するためにも心の食べ物があって、それを「ストローク」と呼びます。このストロークは、存在を認めることです。人は、自分の存在を認められたいと思っています。肯定的なストロークを十分に受けた人は、幸福に満ち溢れた状態になり笑顔でいられます。しかし、ストロークが与えられない状態。ストローク飢餓の状態になると、無視され続けている状態なので、心の空腹を満たすために、否定的でも良いからストロークをもらおうとします。人間は無視されることを一番恐れていて、無視されるくらいなら痛く辛い状況になっても、否定的でも良いから存在を認めて欲しいと無意識に行動するようになります。これは、不正を行ったりミスをしたりする状態で、叱られたりするのですが、無視されるストローク飢餓の常態よりもマシなので、不正やミスをするようになると言うことでした。会社でミスが多発するような場合はストローク飢餓の常態かもしれないので、出来るだけ社員には感謝の気持ちを伝えるようになりました。「皆さんのお陰で、ありがとうございました」当たり前の言葉のようですが、仕事をしていると、社内に向けては、簡単には出てこない言葉です。

それにしても、これ程人を追い詰める「経営」とはいったい何なんだろうという思いも、ふつふつと湧き上がってくるようになりました。

希望に満ちていたはずの工場新築、28歳

1988年、バブル絶頂期で取引先からも福利厚生を充実した50人規模の工場を建てないと今後取引をしないとの発表があり、銀行からの誘いもあり、深く考えもせずに工場新築!かなりの過大投資でこれが後々自分自身を苦しめることに。

親身になって反対してくれた親戚もありましたが、今となって思えば、若さ故の大暴走でした。

人は自分自身の本当の価値を理解できないと、地位や名誉、シンボルとなる建物や高級車などによって自らの価値を誇示しようとするものです。

全く採算が合わず経営危機に、28歳~

過大投資が原因で、採算が合わない状態がずーっと続くようになってしまった。
取引先は元々合わない単価を提示して、月末に補填で帳尻を合わせるようなやり方でした。協力工場には毎年決算書を提出させ、科目ごとの比率を出し。「お前 のところは○○の科目の比率が高い。もっと削減できるはずだ」と言うのです。経費をどの科目に仕分けするかは、経理担当者や税理士さんによってかなり違うので、こんなやり方で補填額を削られて行くと、さらに赤字が拡大するようになって来ました。

しかし、世の中はバブルがはじけて未曾有の大不況へとゆっくり下りはじめていました。
価格破壊という言葉が市場に溢れ、取引先も生産拠点を中国などへシフトして行きました。

受注量の減少、受注単価の下落、それでも生き残りたいという気持ちで、品質管理や工程管理など、指導を受けながら振り落とされないように必死で頑張りました。
しかし、受注量を増やすことはできず、工場を新築した時に想定していた人数50人の稼動にはとうてい及ばず、30人程度の稼動が精一杯。取引先から50人規模の工場を建設するようにと言うことだったのが、中国へ生産拠点を移すので、人員は増やすなと言うことになってしまいました。
50人を想定してコスト計算した工場に30人しかいなければ、よほど高付加価値の仕事でない限り採算を合わせることはまずムリです。
取引先は納期や品質のコントロールのため他社取引を極端に嫌ったため、受注を他社取引で補うこともできず、八方塞がりの状態に陥ってしまいました。

受注量確保のためこっそり商社への営業もして受注を確保したりもしました。
また、弟が靴下の会社へ勤めていたこともあり、靴下の生産もやってみました。
しかし、受注量は確保できても単価はどこも厳しく、下請けをしている限りはどこと取引しても程度の差は多少あっても、ほとんど同じだと考えるようになりました。

勝敗を明確にする

こんな当時、ある日3時ごろに仕事を止めて全員に集まってもらいました。そこで全員に質問!「今日、この時点で会社が勝っていると思う人」と挙手を求めると、数人が手を挙げました。「では、負けていると思う人」と言うと、また数人が手を挙げました。「どちらか分からない人」と聞くと多くの人たちが手を挙げたのでした。

スポーツの試合をしていて相手との点差や勝敗が分からない試合をする人はいません。例えば、野球の試合をしていて5回裏を終わって1点差で負けているか、5点差で負けているか、1点差で勝っているか、5点差で勝っているかによって、攻め方も守り方も違って来ます。相手との点差と現在の勝敗をチームの全員が分かっているから、今自分は何をしたら良いのかも分かります。

このように、会社で勝敗基準が明確になっておらず、経営者や社員が勝敗が分からず。ただ、漫然と仕事をしているケースが非常に多いと思います。ベクトルを揃えると良く言われますが、負けたいと思って仕事をする人はいないので、勝敗の基準を明確にすることで、全員が同じ方向を向くようになるものです。勝利とは何がどんな状態になったことを言うのか。会社でも勝敗を明確にすることで、社員も同じゴールを目指して一体になって仕事をすることが出来るようになりました。

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脱下請けを決意

子供も次第に大きくなり、父親としての責任も感じ、下請けのまま残りの人生を送り続ける程強い精神力がないので、ついに脱下請けを決意!
当時の気持ちは「どうせ死ぬなら、座して死を待つより討ち死にしよう」でした。

今から思えばとても単純な発想でしたが、自社デザインした商品をお店で販売することで脱下請けを考えた。
グラフィックは一部デザイナーさんに頼んだり、社内で絵が描ける人に作らせたりして、何とかサンプルを作って、営業してみました。
しかし、結果は大惨敗!
営業したショップのオーナーさんに言われた言葉は、「縫製が良いのはよくわかるが、一流のデザイナーさんがデザインしたものでもないし、名の通ったブランドでもない。こんな商品が売れるほど世の中は甘くはない」でした。脱下請けと言うのは、口で言うのは簡単だけど、実際に実現するのはかなり難しいものだと感じました。

負ける喧嘩は最初からするな!

ショップのオーナーさんに言われた言葉を何度も頭のなかで繰り返してみて、自分は最初から勝てるわけがないマーケットに戦いを挑んだのではないか?という疑問が沸いてきました。
自分達にとって最も弱い部分を全面に押し出して戦おうとしたのでは?

しかし、取引先のアパレルさんからは国内の協力工場はもう必要ないと言われ、縫製工場のどこに強味があるのか、まったくわかりませんでしたので、脱下請けの糸口も見出すことはできませんでした。

勝てる市場はどこにあるのか?勝てる技術がウチの会社にはあるのか? 脱下請けなど本当に可能なのか?

弱味を強味に変える

自分たちにとっての弱味と強味を考えて見ると、典型的な労働集約型の産業で、世界一高い労働コストで製造していること自体が弱味のように思えてきます。自分たちが持っているものは全て弱みだと思えてなりませんでした。この考えでは到底脱下請けなどできない。

アパレルさんとの取引では、小ロットの追加フォロー生産をしても、払っていただける工賃は量産のお値段と同じでした。
つまり、追加フォローに付加価値は無いと言われているのと同じで、担当者も「追加フォロー分だからと言ってお客様から特別に高い代金を払ってもわう訳には行かない」と言われました。

しかし、この考えははマスプロダクションを前提に考えているからで、近所のスポーツチームのユニフォームなど、たまに依頼される商品は普段アパレルさんから受注する単価の数倍の価格で受注できている事実が思い浮かびました。
もしかしたら売ろうとしている対象を間違っているのではないか?
商品を企画した時も、中間流通を排除しようという考えはありましたが、ターゲットとしてイメージしているのはエンドユーザーではなく小売店さんしか見えていなかったのです。

ご近所の人が20枚~30枚ほどのオリジナルTシャツを依頼される場合、たいてい担当の人は少ない枚数で申し訳なさそうに工場へ来られました。
こういう注文があった時に私は「こんな注文が毎日あれば経営は楽なんだけどなぁ」と漠然と思っていたことも思い出しました。

ここにビジネスチャンスが隠れているのではないか、そう考えるようになって少し脱下請けの希望の光が見えてきたような気がしました。
小ロット、短納期でエンドユーザーのオーダーに対応する。
お客様の要望通りに作ることは、これまで鍛えられているので、大丈夫!
これまで弱味だと思っていた人や技術が、ターゲットを見直すことで強味に変わり脱下請けが見えて来た。

ラーメンのトッピング

ここまで脱下請けの考えを整理してきて、残された問題は、どうやって注文を取るのか?です。

お客様の作りたいものを作りますと言っても、お客様自身がデザインのプロではないので、イメージ画の作成はほとんどできない。

工場としてもお客様が手書きしたものがどんどん届いて作成したとしても、現場が混乱するだけで、全く採算が合わないと予想できました。

この時に目にした脱下請けのヒントが、ラーメン屋さんのトッピングでした。

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シミュレーションシステム完成

ラーメンのトッピングは組み合わせ自由で自分の好みのラーメンができますが、組み合わせる食材は最初から用意されていて、作業も効率的で生産性も高い。
もし、トッピングのメニューも無く、お客さんに好きなラーメン作りますでは、注文が難しくてほとんどの人は注文できないでしょう。

Tシャツやトレーナーでも、「お客様の好きなTシャツ作ります」だけではお客様は注文できない。
ある程度デザインの範囲を限定してメニューにしないと注文は取れないと考えました。

また、メニューを作る際にオプションの範囲を明確にして規格化すれば生産効率も上がって、オーダーであっても十分採算が取れると確信しました。

もう一つはお客様がデザインしたイメージを目で見て確認できるようにデザインシミュレーションソフトも必要だと考えました。

シミュレーションシステムが完成して販売に!

わからない人間同士ですったもんだしながら、何とかシミュレーションシステムが完成。
早速、営業に!

シミュレーションシステムをインストールしたパソコンとサンプルを持って地域のショップさんを営業に回りました。
しかし、ショップさんの反応は良いものの、契約は一件も取れませんでした。
どこのショップさんも「面白いねえ」と言う反応なのですが、「テイストが違う」と言うのが断られる原因のようでした。
おしゃれなブティックに無骨なパソコンは置けない、という事のようです。

田舎では、ダメなのかと思い。東京の大手百貨店へ営業先を変更して、アプローチ開始。
意外とどこの百貨店さんも話しを聞いてくれました。
中には、初回の営業で口座開設の書類をいただけたところもあり、上々の滑り出し。

今から思えば、誰の紹介もなしに飛び込み営業をよくやったなあと思います。

店頭での販売開始!

念願かなって新宿の大手百貨店さんでの販売がはじまりました。
バレンタインキャンペーンからのスタートで、大きな期待に胸を膨らませての販売開始でした。

ポツポツとお客様にお買い上げいただけるのですが、店頭に自分自身が立ってみて感じたことは、お客様が店内を歩くスピードは予想以上に早く、パソコンの前に留め置くのは非常に難しいということでした。
オリジナルTシャツを作ろうと興味を持たれるお客様があっても、一旦パソコンの前に座ってシミュレーションを始めると、30分ぐらいはすぐに経過してしまいます。
すると、連れで来ている方の機嫌がだんだん悪くなってしまいます。
そして、次の売り場へと移動してしまうのです。
一枚のTシャツのご注文に30分~1時間もかかってしまうと、売り場のパソコンのシミュレーションシステムがフル稼働しても一日の売り上げの上限が見えてしまいました。

また、百貨店で販売するときの掛け率や店員の費用などを考えると、百貨店での販売がかなり厳しいと思うようになりました。

インターネットへ、38歳

百貨店の販売の限界を悟って、すぐにインターネットへの転換を考えるが、インターネットのことがさっぱりわからない。
周りにもわかる人はほとんどいない。
そこで、店頭のシミュレーションシステムを作るときにも創造法の認定を受けて、いろいろ支援していただいたこともあり、県の機関に相談しました。
店頭のシミュレーションシステムがインターネットでは使えないこともわかっていたので、このへんの技術的なことのアドバイスを求めた。店頭のシミュレーションシステムを発注する時に、インターネットでの利用も考えていると伝えていたはずなのですが、容量がすごく大きいシステムでネットへの移行は無理と言う結論でした。
情報化モデル企業の認定していただき専門家の派遣など、インターネット上で動くシミュレーションシステムについて支援してもらいました。

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ついに工場売却と社員の解雇するまでの経営危機

ついに念願のホームページが完成!とてもきれいなページに大満足でした。

当時も一般論としてホームページは更新しないと売れないと言うことは聞いていました。
しかし、デザイナーさんがデザインしたホームページの完成度は非常に高く、素人が更新してデザインが崩れてしまうことがすごくイヤで一年間全くページを触らずに置いておきました。
その結果、初年度の一ヶ月平均売り上げは14,952円でした。

自ら更新開始!39歳~

下請けの仕事もどんどん悪くなり、このままでは本当に死んでしまうという焦りもでてきて、ホームページの更新を開始。

綺麗なデザインのページを素人が壊すのは忍びなかったのですが、お客様に当社の特長や強味をしっかり伝えるためには、抽象的なイメージよりも文章が必要だと思いページを増やして行きました。
ページが増えるにしたがって少しずつですが反応が出てくるようになり、注文も確実に増えるようになってきました。

ここから売り上げは順調に伸びるようになってきまして、二年目は前年の15倍、その後も2~3倍の伸びを続けるようになりました。
それでも、本業の下請け加工の受注環境悪化をカバーしきれるまでには至らず。
苦しい経営が続きました。

この当時はインターネットの商取引での成功事例がほとんどなく、銀行の対応もとても冷たいものでした。
また、同業者からも多くの疑問の声をあびせかけられ、本当に自分の判断は正しかったのだろうか?と思う気持ちと、日本の縫製工場はエンドユーザーに近い取引ができないと生き残れないと思う気持ちが交錯する日々でした。

単独の事業としては順調に伸びてはいましたが、本業の落ち込みを補い切れないでいるので、気持ちは常に追い込まれている状態で、何か一つ別の問題が発生すれば、精神的にはダウンしそうな状況をずーっと続けてきたように思います。

下請けとして30人あまりの社員を抱えて、自分では「経営しているつもり」でした。
しかし、自ら売り上げを作れる商品を開発して、販路を開拓すると言うことは、これまでの下請け時代とは全く別の能力や精神力がないとできないことを実感。
本当の経営者、特に創業経営者というのは並みの精神力ではできないことで、これまでやってきたことは、お金の心配をする工場長だったことを痛感しました。
ましてや、高度成長期のように市場が物を欲している時代ではなく、これまでに売れそうな商品はほとんどと言って良いほど市場に投入され尽くした後に、新規参入するわけですから、最初から勝てる確率は極めて低いわけです。

国や県などが、創業支援だと言っていろんな施策を実施してくれています。
このことはとてもありがたいことなのですが、精神的な面の相談に乗ってくれる機関はもちろんありませんし、下請け仲間の経営者はたくさんいますが、創業型の経営者の人脈も無かったので、当然私の周りの経営者仲間に、私のような経験をしている人はいなかったので、一人悩む日々でした。
この頃から経営者の孤独も実感しました。

自分の頑張ろうとする心とは裏腹に下請けの受注環境の悪化は、予想を遥かに上回るもので、頑張っても頑張っても追いつきません。

ついに工場売却と社員の解雇せざるを得ない経営危機

下請け体質のまま経営を続けても決して浮上することはありえないと判断。インターネットの事業に専念できる体質に変えることを決意。社内体制の縮小を決意し、解雇も決断しました。
大きい工場が必要ないと判断して工場を売却。そして一部の社員を解雇しました。工場の売却は不動産会社を通さず、銀行の紹介先に売却しました。

解雇されて退社していく社員の口からも厳しい言葉が私に浴びせかけられました。
「販売と言うのは、カバンを持って外へ出ていくもので、パソコンの前に座って売るというのはおかしい」と解雇した社員からは言われました。解雇と言うのは、解雇された人にレッテルを張ってしまうことになるわけで、私自身もすごく抵抗がありました。
工場売却と解雇と言うのは、これまで経営していて一番辛い決断で、工場売却や社員の解雇をした自分は敗者なのか?と打ちひしがれる思いの日々でした。

取引先からの要請があったとは言え、過大な投資をしてしまったことで、社員を解雇して、さらに工場の売却するまでの経営危機を招いてしまったことは、経営者として大きな判断ミスの結果だと思っています。工場新築の計画が持ち上がった時に、この選択によってもたらされる最悪の結末を考えていれば、このような経営危機は招かなかったのではないかと思います。取引先に100%依存した考えに従って招いた経営危機で、最悪の選択をした結果でした。

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お客様の声を直接聞くことができるようになって変化が

経営者の仕事というのは、船を漕ぐことではなく、舵を取ることが重要な仕事だと思っています。
常に判断を迫られ、方針を出さなければなりません。
組織に方向付けを与えることがリーダーとしての重要な仕事だと思いますが、方向付けから逃げようとする経営者がとても多いように感じます。

工場を売却する判断や解雇する判断はとても辛いものです。
しかし、将来どうあるべきかを決めていれば、今何をするべきかも自ずと判断できるようになるのではないかと思います。将来どうあるべきかが明確でないと、工場売却で恥をかくと言った余計な感情が邪魔をして、正しい判断が出来なくなります。
当時、社員からも「いつまでこんな売れない仕事を続けるのか?」と言われたことがありました。
私は「成功するまで」と迷わず答えました。

明確な方針を打ち出して、成功を信じてやり続けること。これが経営者の資質として非常に重要なのではないかと思います。

もしも誰かに顔を水の中に押し付けられたら、息ができなくなって苦しみます。
耐えられなくなったら、人目をはばからず空気を吸うために必死に抵抗するでしょう。
息をしようと必死にもがくことを周囲から笑われたとしても関係なく、息をすることが最優先になるはずです。

ところが、会社の血液と言われるお金が回らなくなっても、なりふりかまわず生き残るための行動をしない経営者も多いですね。
そういう人は、生きることよりも、なりふりかまわず必死になることが「恥ずかしい」と感じていることが多いようです。
生き残るよりも、自分のプライドが優先するのは、本当に辛い状態を感じていないからでしょう。

お客様の声を直接聞くことができるようになって

これまで、アパレルさんから市場動向などを聞かされていて、イメージしていたことと、お客様の声を直接聞けるようになってギャップを感じるようになりました。
アパレルさんからはどんどん品質基準も厳しくなり、重箱の隅をつつくような検査になり、価格もどんどん下がっていて、アパレルさんからは「価格を下げないと売れない」という話しばかり聞かされてきましたが、お客様は価格よりも本当に良いものを求めている方も結構多いことも感じました。アパレル企業の営業マンが売り場の店員さんから聞いた情報を営業所長に伝え、さらに営業部長に伝え、製販会議で下請けを管理している部門の部長に伝え、下請けを実際に管理している担当者に情報を伝えるうちに、伝言ゲームが目茶苦茶になって、下請けを都合の良いように使う情報に変化します。その情報を真に受けて会社を経営すると、とても受け入れられない要求をされることになります。

ホームページでお客様から直接声を聞くようになると、、現場で縫製している社員の人たちにも変化が出てきました。
お客様がイベントで着用する目的で依頼された商品は絶対に納期を遅らせるわけには行きません。
こんなことは、私が言わなくても皆、感じてくれて何とかして間に合わせようとしてくれるようになりました。
私の方から残業を頼まなくても、自分達で判断して間に合うようにしてくれたり、緊急の時などは、一旦家に帰って晩御飯を作ってから、また会社へ出てきてくれたりするようになりました。
お客様からのクレームもアパレルさんの仕事のような伝言ゲームではないので、直接言葉が伝わります、ですから良い商品を作ろうとする意識がすごく高まりました。

経営者として口をすっぱくして納期や品質のことを言うより、お客様と接することが増えれば自然に意識が変わることを実感しました。
お客様が会社を育ててくれる!

お客様から儲け話しをしていただけるようになってきて

私はもともと営業畑の人間ではありませんが、インターネットでホームページを開設して、お客様にも当社が工場だと言うことを理解していただけるようになると、私達が知らないマーケットで大手が参入しない分野の情報をいただけるようになってきました。

こういう話しはお客様がすでに市場調査して、当社に生産を依頼して来られるので、事業として成り立つ可能性が大変高いのです。

また、一人でコツコツ探すよりもすごく効率が良いのです。
ホームページを介して営業マンが増えたような感じです。

このようなご注文がどんどん増えて、一方で一般のお客様からのご注文も順調に増えてきて、それに伴ってアパレルさんからの受注を少しずつ減らすことができるようになりました。

自分でホームページを更新して、試行錯誤してみてわかったことは、自分の会社の特長や強味をいかにお客様に伝えるかが非常に重要だということです。

もう一つはSEOでしょうか。
SEOといっても、技術的に高度なページを作るのではなく、内容を充実させることを考えました。
検索エンジン側にすれば、特定のキーワードを検索したときに閲覧者にとって有益な情報があるページを上位にするように研究しているわけですから、情報を提供する側はサイトの充実さえ心がけていれば結果的に検索で上位に表示されるホームページになるのではないかと思います。

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インターネット専業へ

インターネットの受注が順調に伸びて、下請け加工の比率が20%を切ったあたりで、取引先と今後について話し合い、下請けを止めることになりました。

自分としては、もう少し下請けを続けながら転換したいと考えていましたが、発注側とすると、僅かな工数のために担当者を置いて管理すること自体が、大きなムダになってしまうので、思い切って脱下請けに踏み切りました。
ネット専業の初年度は、下請けの売り上げの減少分を補うには力不足で、特に冬場は厳しい経営を強いられました。
しかし、二年目は9月のリニューアル以降のご注文も順調に推移していて、冬場の落ち込みもかなり食い止めることができそうです。これでやって行けそうな状況になってきました。

階級制度の壁

元請けと下請けの関係は、階級制度のようなもので、下請けの階級から上へ上がろうとすると、上流階級の人たちから強烈な反発が起こります。
「奴隷はずっと奴隷をしていろ!」ということなのでしょう。

実際に、当時の取引先の部長から「お前のところが、生地を買えないようにしてやろうか!」と言われたことも。

その時は、仕入先の社長が機転を利かせて「私の会社は伝票が通っているだけで、どこの工場から生地が出ているのかわからないのです」と言ってくれたおかげで、危機を回避することができました。

金融機関も、強い者に立ち向かって孤独に戦っている経営者に手を差し伸べることはありません。自力で上流階級を勝ち取ってしまえば、金融機関は擦り寄ってくるのでしょう。

このような環境の中で、戦い続ける精神力は尋常なものではなく、下請けから転換するよりも全く新規に事業を立ち上げる方が楽かもしれません。

小さい成功体験の積み重ね

その人がどれだけやれるかは、その人が自分自身をどう評価しているかに大きく左右されるように感じています。

自分で自分のことを正しく評価していて、自分は「必ずできる」と思える人は、チャレンジするし設定した目標を時間をかけても必ず達成するものではないかと思います。

反対に、自分はちっぽけな人間だと思っている人は大きな目標も持たず、行動も起こさないようです。

自分に対して肯定的な評価ができるかどうかは、若い時から小さい成功体験を積み上げてきているかどうかだと思います。
成功体験というのは、同じ経験をしてもその中に小さな成功を感じることができたかどうかなのではないかと思います。

周りから見ると一見失敗したかのように思える状況でも、その中にある貴重な経験を成功と捕らえる前向きな能力のことです。

青信号を待っている人

いろんな経営者の方とお会いして感じるのは、すごく勉強熱心な経営者の方が多くいらっしゃることです。

しかし、多くの方たちが、経営理念だ中期経営計画だと言っている割には行動しないなぁというのが偽らざる感想です。

こういう方たちは目的地にたどりつくまでの信号が全て青になるタイミングを待っているのではないかとさえ感じます。

経営計画や理念だと言っても、常に自分の安全圏でしか行動しない人は安全圏内の計画しか立てないわけで、大きな変革などはありえない。

こういう経営者ほど社員に「改革しろ!」と言っているんだろうと思います。

安全圏を一歩出て、いろんな恐怖体験をしながら頑張っていると、いつしか慣れてきて、怖かった範囲も次第に安全圏と感じるようになるのです。
そうしたら、また一歩外へ出れば良いのです。

障害の多さ

最近、いろんなところで講演させていただく機会も増えてきて、参加者から質問を受けるのですが、参加者の方自身が持っている商材や取引形態が、新規の販路開拓がいかに困難かを説明される方がいらっしゃいます。

「こんなこと説明して何になるんだろう」と思いながら聞いています。
人それぞれの心の習慣があって、同じ状況にあっても、障害を見ている人と可能性を見ている人では、結果は大きく違ってくると思います。

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