ターゲットユーザーを想定すると、コンテンツが枯渇する恐れがあります
ターゲットユーザーを明確に想定して、そのユーザーが探していると思われるコンテンツをピンポイントで掲載して、中長期的に顧客へと導くコンテンツマーケティングですが、私はこの考えにあまり賛成できません。コンテンツマーケティングはマーケティングの時代のようにプロモーションにコストがかかる訳ではないので、市場のセグメントを厳格にする必要はありません。マーケティングの時代はプロモーションはコマーシャルだったので、市場をセグメントし、ターゲットユーザーを絞り込まないと、コマーシャルに膨大な費用がかかり、その上、コマーシャルに反応するユーザーの割合が低くなる可能性がありました。
企業活動のほとんどはコンテンツになりうるものです。また、ユーザーは予想外のキーワードでアクセスして来る場合があります。ターゲットユーザーを想定せずに、コンテンツを制作すれば、膨大な量のコンテンツが作成でき、そのコンテンツは制作者からは予想もしないキーワードでアクセスがある可能性があります。また、同じコンテンツでも見方を変えることによって、さらにコンテンツのバリエーションを増やすことが出来ます。あるユーザーが想定もしていないキーワードでWEBサイトを訪れ、コンテンツを読んで訪れた企業のファンになって、長いスバンで購入に繋がることは想像できます。全く想定していないキーワードでアクセスして来るユーザーが一つのコンテンツについて、ごく少数でも、コンテンツを多く掲載できればその数はバカにできなくなります。
しかし、コンテンツマーケティングでユーザー像を絞り込んで設定すると、発信できるコンテンツが限られてしまって、予想もしていないキーワードで訪れるユーザーを排除してしまうことになります。この予想もしていないキーワードで訪れるユーザーは企業にとって新たなコンテンツを生み出す重要な情報をもたらしてくれる可能性がありますが、このユーザーを排除してしまうと、新たな発見は生まれて来なくなります。
制限無しにコンテンツを作った方が、予想外のキーワードからのアクセスも取り込めます
制限無しにコンテンツを制作すれば得られるはずのアクセスを制限する必要は無いと思います。制限無しにコンテンツを制作して、そこへ予想外のキーワードで訪れるユーザーがいれば、そのキーワードでさらにコンテンツを作れば良いのです。ユーザー像を絞り込んで設定すればするほど、その設定が外れる可能性も出てくるわけで、そんなことで、新たにターゲットを設定し直して、コンテンツを作る位なら、最初からターゲットを設定せずに、思いつくままにコンテンツを発信すれば良いと考えます。
ピンポイントでターゲットを設定したからと言って、必ずしも想定するユーザーに満足してもらえるコンテンツが作れるかどうかも分かりません。そのことに考えをめぐらす位なら、社内のコンテンツを見つけ出すことに労力を使う方がよほど生産的です。
制限無しにWEBコンテンツを制作し、制作したコンテンツからユーザーの質問があれば、その質問の回答をコンテンツに付け加えれば良いのです。コンテンツは商品開発のような、大きなコストがかかるものではありません。また、思い付いたらどんどん書き加えることが出来るのも大きな特徴です。せっかく社内に存在しているコンテンツなので、出来る限り公開して、より多くのユーザーからのアクセスを得られるようにして、本来なら縁遠いユーザーも長い時間を掛けて引き寄せることに努力しましょう。良質なWEBコンテンツになりうる情報は社内にふんだんにあるはずなのですから。