希望に満ちた工場新築のはずが・・・・経営危機を招く

本来やりたいと思っていることと、実際にできていることとのギャップに悩むようになってきた。
これは、経営者としてもっと売り上げを伸ばして、利益を出して、社員のみんなの所得をもっと増やしたいと思っている内面と、実績として直面する経営の数値のギャップが一つ。
もう一つは、楽しく笑顔で仕事がしたい、楽しい職場にしたいと思う心と、いろんな経営指標を改善しないといけないと、常にしかめっ面している自分とのギャップです。

こんなことを悩んでいるときに、ふとしたきっかけで、交流分析という心理学のセミナーを受講する機会がありました。
交流分析は口語体の心理学と言われていて、大変わかり易い心理学です。

このセミナーの中でトレーナーから私に対して強烈なフィードバックがありました。
それは、「感情を表現するな!」と喜怒哀楽を表現することを自分自身に禁止していると・・・・・。
感情を表現しないということは、悲しいことを悲しいと感じない、嬉しいことを嬉しいと感じないようにしているわけで、こういうことを続けていると情緒障害に陥るらしいです。

こんなふうになるのは、子供の頃に親などが子供にとって良かれと思って言う言葉が元になります。私の場合「男の子は泣いたらあかん」が一番の元ですが、やはり、この仕事をするようになってから必死に経営者を演じてきた結果だと思います。
今でもこの問題は引きずっていますが、かなり良くなりました。

もう一つ交流分析で印象深かったことは、人間の肉体を維持するために食べ物を食べますが、心を維持するためにも心の食べ物があって、それを「ストローク」と呼びます。このストロークは、存在を認めることです。人は、自分の存在を認められたいと思っています。肯定的なストロークを十分に受けた人は、幸福に満ち溢れた状態になり笑顔でいられます。しかし、ストロークが与えられない状態。ストローク飢餓の状態になると、無視され続けている状態なので、心の空腹を満たすために、否定的でも良いからストロークをもらおうとします。人間は無視されることを一番恐れていて、無視されるくらいなら痛く辛い状況になっても、否定的でも良いから存在を認めて欲しいと無意識に行動するようになります。これは、不正を行ったりミスをしたりする状態で、叱られたりするのですが、無視されるストローク飢餓の常態よりもマシなので、不正やミスをするようになると言うことでした。会社でミスが多発するような場合はストローク飢餓の常態かもしれないので、出来るだけ社員には感謝の気持ちを伝えるようになりました。「皆さんのお陰で、ありがとうございました」当たり前の言葉のようですが、仕事をしていると、社内に向けては、簡単には出てこない言葉です。

それにしても、これ程人を追い詰める「経営」とはいったい何なんだろうという思いも、ふつふつと湧き上がってくるようになりました。

希望に満ちていたはずの工場新築、28歳

1988年、バブル絶頂期で取引先からも福利厚生を充実した50人規模の工場を建てないと今後取引をしないとの発表があり、銀行からの誘いもあり、深く考えもせずに工場新築!かなりの過大投資でこれが後々自分自身を苦しめることに。

親身になって反対してくれた親戚もありましたが、今となって思えば、若さ故の大暴走でした。

人は自分自身の本当の価値を理解できないと、地位や名誉、シンボルとなる建物や高級車などによって自らの価値を誇示しようとするものです。

全く採算が合わず経営危機に、28歳~

過大投資が原因で、採算が合わない状態がずーっと続くようになってしまった。
取引先は元々合わない単価を提示して、月末に補填で帳尻を合わせるようなやり方でした。協力工場には毎年決算書を提出させ、科目ごとの比率を出し。「お前 のところは○○の科目の比率が高い。もっと削減できるはずだ」と言うのです。経費をどの科目に仕分けするかは、経理担当者や税理士さんによってかなり違うので、こんなやり方で補填額を削られて行くと、さらに赤字が拡大するようになって来ました。

しかし、世の中はバブルがはじけて未曾有の大不況へとゆっくり下りはじめていました。
価格破壊という言葉が市場に溢れ、取引先も生産拠点を中国などへシフトして行きました。

受注量の減少、受注単価の下落、それでも生き残りたいという気持ちで、品質管理や工程管理など、指導を受けながら振り落とされないように必死で頑張りました。
しかし、受注量を増やすことはできず、工場を新築した時に想定していた人数50人の稼動にはとうてい及ばず、30人程度の稼動が精一杯。取引先から50人規模の工場を建設するようにと言うことだったのが、中国へ生産拠点を移すので、人員は増やすなと言うことになってしまいました。
50人を想定してコスト計算した工場に30人しかいなければ、よほど高付加価値の仕事でない限り採算を合わせることはまずムリです。
取引先は納期や品質のコントロールのため他社取引を極端に嫌ったため、受注を他社取引で補うこともできず、八方塞がりの状態に陥ってしまいました。

受注量確保のためこっそり商社への営業もして受注を確保したりもしました。
また、弟が靴下の会社へ勤めていたこともあり、靴下の生産もやってみました。
しかし、受注量は確保できても単価はどこも厳しく、下請けをしている限りはどこと取引しても程度の差は多少あっても、ほとんど同じだと考えるようになりました。

勝敗を明確にする

こんな当時、ある日3時ごろに仕事を止めて全員に集まってもらいました。そこで全員に質問!「今日、この時点で会社が勝っていると思う人」と挙手を求めると、数人が手を挙げました。「では、負けていると思う人」と言うと、また数人が手を挙げました。「どちらか分からない人」と聞くと多くの人たちが手を挙げたのでした。

スポーツの試合をしていて相手との点差や勝敗が分からない試合をする人はいません。例えば、野球の試合をしていて5回裏を終わって1点差で負けているか、5点差で負けているか、1点差で勝っているか、5点差で勝っているかによって、攻め方も守り方も違って来ます。相手との点差と現在の勝敗をチームの全員が分かっているから、今自分は何をしたら良いのかも分かります。

このように、会社で勝敗基準が明確になっておらず、経営者や社員が勝敗が分からず。ただ、漫然と仕事をしているケースが非常に多いと思います。ベクトルを揃えると良く言われますが、負けたいと思って仕事をする人はいないので、勝敗の基準を明確にすることで、全員が同じ方向を向くようになるものです。勝利とは何がどんな状態になったことを言うのか。会社でも勝敗を明確にすることで、社員も同じゴールを目指して一体になって仕事をすることが出来るようになりました。

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