脱下請けを決意

子供も次第に大きくなり、父親としての責任も感じ、下請けのまま残りの人生を送り続ける程強い精神力がないので、ついに脱下請けを決意!
当時の気持ちは「どうせ死ぬなら、座して死を待つより討ち死にしよう」でした。

今から思えばとても単純な発想でしたが、自社デザインした商品をお店で販売することで脱下請けを考えた。
グラフィックは一部デザイナーさんに頼んだり、社内で絵が描ける人に作らせたりして、何とかサンプルを作って、営業してみました。
しかし、結果は大惨敗!
営業したショップのオーナーさんに言われた言葉は、「縫製が良いのはよくわかるが、一流のデザイナーさんがデザインしたものでもないし、名の通ったブランドでもない。こんな商品が売れるほど世の中は甘くはない」でした。脱下請けと言うのは、口で言うのは簡単だけど、実際に実現するのはかなり難しいものだと感じました。

負ける喧嘩は最初からするな!

ショップのオーナーさんに言われた言葉を何度も頭のなかで繰り返してみて、自分は最初から勝てるわけがないマーケットに戦いを挑んだのではないか?という疑問が沸いてきました。
自分達にとって最も弱い部分を全面に押し出して戦おうとしたのでは?

しかし、取引先のアパレルさんからは国内の協力工場はもう必要ないと言われ、縫製工場のどこに強味があるのか、まったくわかりませんでしたので、脱下請けの糸口も見出すことはできませんでした。

勝てる市場はどこにあるのか?勝てる技術がウチの会社にはあるのか? 脱下請けなど本当に可能なのか?

弱味を強味に変える

自分たちにとっての弱味と強味を考えて見ると、典型的な労働集約型の産業で、世界一高い労働コストで製造していること自体が弱味のように思えてきます。自分たちが持っているものは全て弱みだと思えてなりませんでした。この考えでは到底脱下請けなどできない。

アパレルさんとの取引では、小ロットの追加フォロー生産をしても、払っていただける工賃は量産のお値段と同じでした。
つまり、追加フォローに付加価値は無いと言われているのと同じで、担当者も「追加フォロー分だからと言ってお客様から特別に高い代金を払ってもわう訳には行かない」と言われました。

しかし、この考えははマスプロダクションを前提に考えているからで、近所のスポーツチームのユニフォームなど、たまに依頼される商品は普段アパレルさんから受注する単価の数倍の価格で受注できている事実が思い浮かびました。
もしかしたら売ろうとしている対象を間違っているのではないか?
商品を企画した時も、中間流通を排除しようという考えはありましたが、ターゲットとしてイメージしているのはエンドユーザーではなく小売店さんしか見えていなかったのです。

ご近所の人が20枚~30枚ほどのオリジナルTシャツを依頼される場合、たいてい担当の人は少ない枚数で申し訳なさそうに工場へ来られました。
こういう注文があった時に私は「こんな注文が毎日あれば経営は楽なんだけどなぁ」と漠然と思っていたことも思い出しました。

ここにビジネスチャンスが隠れているのではないか、そう考えるようになって少し脱下請けの希望の光が見えてきたような気がしました。
小ロット、短納期でエンドユーザーのオーダーに対応する。
お客様の要望通りに作ることは、これまで鍛えられているので、大丈夫!
これまで弱味だと思っていた人や技術が、ターゲットを見直すことで強味に変わり脱下請けが見えて来た。

ラーメンのトッピング

ここまで脱下請けの考えを整理してきて、残された問題は、どうやって注文を取るのか?です。

お客様の作りたいものを作りますと言っても、お客様自身がデザインのプロではないので、イメージ画の作成はほとんどできない。

工場としてもお客様が手書きしたものがどんどん届いて作成したとしても、現場が混乱するだけで、全く採算が合わないと予想できました。

この時に目にした脱下請けのヒントが、ラーメン屋さんのトッピングでした。

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